安野光雅しりとりファンのブログ

絵本「しりとり」について書いてます

安野光雅しりとりファンのブログ4

4回目になりました。「ようこそブログ」に掲載された時間帯に見てくれた方がいるようです。 ありがとうございます。それ以外は自分しか見ていないブログです。いつもありがとうございます。

 

さて、前回のプログラムで、 「安野光雅しりとりをゴールできるパターンは、897通りある」 との説が濃厚になりました。

今回はこの結果が正しいものと仮定して、単語の出現率などを見ながらランキングしていこうと思います。

もしまだこの絵本で遊んだことがない方は、この先を読まない方がいいかもしれません。

注意:絵本はゴールできなくても最初のページに戻れるようになっていますが、ここでは2周目以降にゴールするパターンは考慮してません。 あくまで1周目でゴールできるパターンについて書いていきます。

 

まずはゴールできるパターンと、できないパターンの対比です。

全1825パターン中、

ゴールできるものが897

できないものが928

です。 ざっくり半々ぐらいなので2回に1回はゴールできるんですね。

 

次に、1ページ目の各単語のゴール確率です。スタート時にどれを選べば一番ゴールしやすいのか、気になった人も多いと思います。 全1825パターンに、各単語が何回出現するかを算出したのが以下の表です。

単語 ページ 全出現回数 あがり出現回数 あがり確率
けんびきょう 1 4 1 0.250
あさひ 1 18 6 0.333
いわし 1 270 126 0.466
うし 1 270 126 0.466
せなか 1 270 126 0.466
くま 1 4 2 0.500
ご1ま 1 4 2 0.500
きびだんご 1 154 78 0.506
すもも 1 154 78 0.506
おに 1 61 31 0.508
さる 1 47 24 0.510
そ1ば 1 47 24 0.510
えんどうまめ 1 211 109 0.516
こあら 1 211 109 0.516
かれーらいす 1 57 31 0.543
しるこ 1 43 24 0.558

(あがりパターンの出現回数)÷(全パターンの出現回数)=ゴールできる確率 としています。

 

最もゴールできる確率が高かったのは

 

1位しるこ 55.8%

2位かれーらいす 54.3%

 

しるこ、あんまり初手で選びませんね(私は)。 でもこういう意外な単語のチョイスがこの絵本のいいところだと思います。 子供に身近な、キャッチーな単語だけじゃなくて、知らない単語、大人でも「なにそれ」と思うような単語も載っています。 特に草花の名前ですかね。すべりひゆ、ぬすびとはぎ、とか知りませんでした。

 

安野さんの別の絵本で「ABCの本」というのも好きなんですが、これはA〜Zのアルファベットのページに、そのイニシャルが付くもののイラストが載っている、言ってみればよくあるタイプの絵本です。

しかし安野さんのは描き込みがすごいので見るたびに新しい発見があります。

各ページのふちどり(というかもはや額縁)は植物になっていて、Cならクローバー、Iならアイビーとか、見てわかるものもありますが、結構わからないんです。最後のページに

A guide to some of the things to be found in the pages of Mr Anno's Alphabet.

(この本にでてくるものの てびき)

としてまとめて載せてくれていますが、英語名なので調べないとピンとこないのもあります。

エンタメ飽和時代の昨今、見るべきものが沢山あり過ぎて、野山の草花をじっと観察する機会が少ない私です。そんな私にも興味を持つきっかけをくれる(しかも押し付けがましくない。あくまでこちらの知的好奇心に任せてくれる!some ofのsomeのところにアンダーラインがある!)貴重な作家さんだなあと思います。

 

脱線しましたが、しるこが1位なのは特に理由はわかりません。

3位〜14位も、51.6%〜46.6%と大差はなく、だいたい50%程度の確率で、各単語、満遍なくゴールできる、とも言えます。

ただ、残りふたつだけが目立って低いです。

 

15位あさひ 33.3%

16位けんびきょう 25.0%

 

けんびきょう、あんまり初手で選びませんね(私は)。 改めて絵本を見ると分かりますが、けんびきょうでスタートした場合、その後ずっと分岐がなくて、13ページまで来て初めて「くじら」「くものす」の2択になります。そしてこの2つのうちのどちらかは、ゴールできないのが確定しています。結構厳しいですね。

15位のあさひもスタートからずっと分岐がないまま、10ページの「まんと」「まんとひひ」で初めて2択になります。ところが11ページは「とき」「ひこうき」の2択でどちらも「き」で終わるので、先程の分岐があまり重要でなかったことがわかります。14ページまで進んでもまだゴール確率33.3%の「ぎんこう」が残っているので、終盤に大きく動くスリリングな手と言えます。

 

次に、最後のページの各単語の出現回数です。どの単語であがることが多いのか見てみます。

 

1位わん361

2位べーこん158

3位ちょうちん132

(同点)もん132

5位らん82

6位りぼん32

 

1位に比べると、6位のりぼんであがるパターンは随分少ないです。 りぼんでゴールするパターンを抽出してスタートの単語を見てみると、9種類ありました。 逆に言うと、この9種以外でスタートすると、りぼんではゴールできないということですね。 ついでに、わんでゴールするパターンの方も見てみると、13種類ありました。 気になって全部調べたのでこれも表にします。

単語 りぼん わん べーこん ちょうちん もん らん
けんびきょう     1      
あさひ   4       2
いわし 4 54 22 16 16 14
うし 4 54 22 16 16 14
せなか 4 54 22 16 16 14
くま 2          
ごま 2          
きびだんご 4 30 14 12 12 6
すもも 4 30 14 12 12 6
おに   12 7 5 5 2
さる   9 5 4 4 2
そば   9 5 4 4 2
えんどうまめ 4 42 19 18 18 8
こあら 4 42 19 18 18 8
かれーらいす   12 5 6 6 2
しるこ   9 3 5 5 2

 

どの単語であがるために、どの単語でスタートすべきかが一目瞭然です。 けんびきょう、くま、ごま、あさひが曲者です。

 

次は出現回数の少ない単語を見ていきます。

あがり出現回数が0のもの、つまりその単語を選んだらもうゴールできないことが確定するものは、17個あります。

中でも最短でドボンが確定する単語は

 

「ろば」11ページ

 

です。こうやって見ると、ろばのイラストも、うつむき加減で物悲しく見えてきます。

逆に、選んだ時点でゴールできることが確定する単語も見てみます。

あがり確率が100%の単語は37個ですが、そのうち最短であがりが確定するのは、

 

「いど」7ページ

 

です。早いですね。 いも、いか、いどの3択ですから、まず子供はいどを選ばないでしょう。こんなところに勝ち筋があったんですね。 安野光雅しりとり早抜け選手権があったら、みなさん「いど」を目指して頑張ってほしいと思います。

 

と、ここまで見てきましたが、実はもっとドラマチックな展開を期待してました。

どれからスタートしても、どうしてもこの単語選びがち!とか

この単語激レア!とかを発見できるかなーと思ったのですが、そんなことはなかったです。 ただ色んな人にやってもらってデータを集めて、どの道を通ったか、傾向を分析したら面白そうです。 あとは、2周目以降も繰り返しできるようなプログラムに変えて、何周で全部の単語を制覇できるかも、調べたいと思います。